HQ認証取得商品 JAHFICが仕組み構築(2016.9.8)
健康食品の品質や安全性に関する第三者認証「ハイクオリティ(HQ)認証」を運営する一般社団法人の日本健康食品・サプリメント情報センター(JAHFIC、田中平三理事長)は8月30日、都内でセミナーを開き、来月1日から都道府県への届出受付が始まる予定の「健康サポート薬局」に、同認証取得商品を流通させる計画を明らかにした。まずは30店舗から販売を始め、今年度中に500店舗まで契約先を拡大させるという。
健康サポート薬局とは、患者の服薬情報の一元的・継続的管理や24時間対応などの「かかりつけ機能」を備えた調剤薬局のうち、地域住民の健康維持・増進を支援する「健康サポート機能」を備えた薬局。医薬品医療機器法施行規則に今年4月から規定された。健康サポート薬局となるには基準があり、店舗に常駐する「かかりつけ薬剤師」が、一般用医薬品や健康食品などに関する助言、相談、供給に対応することも要件とされている。
講演したJAHFICの宇野文博理事は健康サポート薬局について、「病人だけでなく健常人の健康相談や、予防医療ステーションとなることが目されている。健常人が薬局を訪れる流れをつくる」との見通しを示したうえで、「健康食品などの健康ビジネスにとってチャンス」だと強調。健康食品の新たな販売チャネルとしても大きく注目されるとした。
HQ認証取得商品を健康サポート薬局へ導入するに当たりJAHFICらは、健康サポート薬局に常駐する薬剤師に求められる健康食品に関する教育(研修)システムの提供と、商品流通システムなどを連動させたビジネスモデルを構築。このモデルには物流企業も組み込まれているため、店舗側は在庫リスクを抱えずに済むという。
宇野理事は健康サポート薬局の開局数について、全国1万店舗に及ぶ可能性があるとする厚生労働省の見通しを伝えた。一方、都道府県薬剤師会の一部では、「その2倍は必要」との認識も示しているという。調剤薬局は現在、全国に5万5000店舗が存在するとされる。
JAHFICでは今後、健康サポート薬局に対し、HQ認証とも連動している、健康食品原料の安全性などに関するデータベース「ナチュラル・メディシン・データベース」の普及を進める。またHQ認証商品の消費者認知向上を図るために、新聞広告などを通じたアピールを積極的に行うという。
【写真=講演するJAHFIC宇野文博理事(8月30日、東京・文京区)】