厚労省検討会 中小事業者には緩和措置適用 HACCP導入案固まる(2016.9.22)
厚生労働省の「第8回食品衛生管理の国際標準化に関する検討会」(座長・五十君靜信東京農大教授)が20日に開催され、HACCP導入案が固まった。中小事業者には緩和措置を適用する。12月の第9回検討会で正式にとりまとめた後、厚労省は来年の通常国会を念頭に必要な法改正を検討する。
HACCPの基準が適用されるのは、食品製造、加工、調理、販売などを行う食品関係事業者で、食品衛生法で許可された34業種から範囲が広がる可能性もある。具体的には、2014年10月に改定された「食品等事業者が実施すべき管理運営基準に関する指針(ガイドライン)」の対象業種が参考となる。
対象事業者には、危害要因分析、モニタリング、記録・保存など、HACCPが定めた7つの原則の適用とHACCPプラン(衛生管理計画)の作成が義務付けられる。
ただし、対象事業者を「基準A」と「基準B」に分け、コストや人員面などで負担が大きくなる中小零細事業者には、「基準B」として、7つの原則の弾力的適用や既存の仕組みを活用した衛生管理計画の作成、経過措置などを講じる予定。
「基準B」の適用要件は、従業員数が一定数以下、もしくは食品の種類が多くかつ変更頻度が高い業種、一般衛生管理による対応が可能な業種などで、詳細は食品衛生法など既存の枠組みを参考に厚労省が政省令で定める。また、HACCP導入に伴い、食品衛生法の「総合衛生管理製造過程承認制度」は廃止する方向だ。
検討会のとりまとめ案は、11月下旬までの約2カ月間パブリックコメントに付し、12月の第9回検討会で正式に決まる予定。これを踏まえ、厚労省は食品衛生法改正案などを来年の通常国会に提出する見通しだ。