表示方法の概要固まる 原産地表示検討会 主原料の重量1位表示 (2016.9.22)
消費者庁・農林水産省の「第8回加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」(座長・森光康次郎お茶の水大学大学院教授)が12日に開かれ、表示方法の概要が固まった。
健康食品を含む加工食品の原料原産地に関する具体的表示方法は、すでに8月23日の前回検討会で、①「可能性表示」②「大括り表示」(大括り+可能性表示含む)③「中間加工原材料の表示」の3つの方法が提示されている。
①は主原料を国別に重量順を特定することが困難な場合の表示方法で、複数国を「又は」で表記する。条件は「原料産地は分かるが産地が煩雑に変わる」「過去の使用実績が管理できており、今後使用する原料産地も担保できる」の二つ。
②は複数国からの輸入原料を使う際に国別に重量順を特定することが困難な場合の方法。「輸入」と表記する。条件は、「産地・混合割合の変更が煩雑に生じ国別・重量別が困難」「2カ国以上の輸入原料」「国産と外国産の重量割合を把握」「使用実績の管理、今後使用する産地の担保」の4つ。大括り+可能性表示は、「輸入・国産」などの表記の下に注釈として過去の扱い実績を記す。
③は中間加工原料の製造地を表記する。加工地と原料産地の誤認を防ぐため、不明確な表示の禁止も徹底する。
また、原料原産地の表示対象とする範囲は、重量順位別で1位までと2位までとする例が示された。
同日の会合の冒頭、森光座長は「あくまで全ての加工食品に原産地表示をすることが議論の前提」と述べ、その後の議論では委員から目立った反対意見は出なかった。これを受け森光座長は、会合の最後に「主原料の重量順位1位を基本に、加工食品全てに原料原産地を表示させることでまとめたい」とし、約10カ月におよんだ議論を事実上集約した。次回会合は10月5日の予定で、まとめ案を議論する。
【写真=第8回検討会の様子(9月12日、消費者庁、農林水産省・三田共用会議所)】
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