抗菌石鹸の代替物質使用を要請 厚労省(2016.10.3)


 厚生労働省は9月30日、米国FDA(食品医薬品局)が抗菌石鹸に含まれるトリクロサンなど19成分について使用禁止にしたことを受け、日本化粧品工業連合会と日本石鹸洗剤工業会に対して、代替物質に切り替えるよう要請した。

 具体的には、両団体に傘下各企業の代替物質への切り替え状況を報告させるとともに、代替物質使用に伴う各企業による薬機法の承認申請をサポートさせる。

 承認申請の期限は来年9月30日までで、同期日までに申請を行った企業に対しては、審査を迅速に行う。なお剤形の変更は迅速審査の対象としない。

 日本化粧品工業連合会と日本石鹸洗剤工業会に加盟している多くのメーカーは、FDAの禁止措置を受け、すでに代替物質の検討に乗り出しているが、団体関係者によると、「法律で禁止されているわけではないので、現状はあくまで各社の判断。事情により代替物質を検討できない企業もあるのではないか」との見方が出ていた。

 しかし、今回の厚労省の指示により、事実上、代替物質を使わざるを得なくなった。ただし、承認申請の猶予期間は1年あるため、各社とも急ピッチで代替物質への切り替えを進めるものと見られる。


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