原産地表示方法で議論紛糾 消費者庁・農水省検討会(2016.10.6)



 消費者庁・農林水産省の「第9回加工食品の原料原産地表示制度に関する検討会」(座長・森光康次郎お茶の水大学大学院教授)が5日開催され、制度案が提示されたものの、複数の委員から強い反対意見が出され、議論が紛糾した。


 制度案は前回会合で示された素案と同じもので、「国別重量順表示」を原則に、例外として①「可能性表示」(原産地表記の下に過去の使用実績である旨を注意書き)②「大括り表示」(『輸入、国産』などと表記)③「大括り+可能性表示」(『輸入又は国産』と表記)―の3つの方法が選択できる。このほか中間加工原材料の表示方法(『○○国製造』)も前回会合とほぼ同じものが示された。


 このうち②と③について、市川まりこ委員(食のコミュニケーション円卓会議代表)ら複数が問題視し、「かえって消費者の誤認をまねく、この制度案に承服できない」と強く反発した。また、武石徹委員(食品産業センター部長)は、「従来の原産地表示品目を追加する方法でよい」と主張。森光座長から「いまさら議論を白紙に戻せない」と諭される一幕もあった。


 他方で、事業者が取り組める案として評価する委員も多くいた。結論は得られなかったが、農水省は「大方の承認は得た」として集約する考えを示し、森光座長も「次回会合でまとめたい」として議論を打ち切った。次回会合の日程は未定だが、検討会の案としてとりまとめた後、年内にも消費者委員会に報告。パブリックコメントを受け付けた後、食品表示基準が改正される見通し。



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