エーザイ 機能性表示食に本腰 セラミド飲料を店頭に拡大(2016.10.20)
製薬大手のエーザイ㈱(東京都文京区)が機能性表示食品の販売に本腰を入れるようだ。先月から自社ECサイトで販売を始めていた機能性表示食品の飲料について、販路を大きく拡大させている。
エーザイの機能性表示食品第1号「チョコラBB リッチセラミド」(50㍉㍑、希望小売価格税抜298円)。第3類医薬品などをラインナップする同社の主力ブランドを冠に掲げた同品の販売は、先月12日から同社のECサイトで始まっていた。その中で同社は今月13日、同ブランドの主要販路である「店頭にて本格発売する」として、販路の拡大を発表した。
販路拡大先は、全国のドラッグストア、薬局・薬店、コンビニエンスストア。17日から順次販売を始めており、今後、大規模な販売促進活動に打って出る可能性もありそうだ。そうした動きが、機能性表示食品に高い関心を示しながらも様子見を続けている他の製薬企業に刺激を与える可能性も考えられる。
同品の機能性関与成分は「肌の潤いを逃がしにくくする」機能が報告されている米由来グルコシルセラミドであり、エーザイは同品で「『飲む』お肌の乾燥対策」を訴求していく構え。また、「米由来グルコシルセラミドを配合した日本で初めてのドリンクタイプの機能性表示食品」として『日本初』であることもアピールしている。
グルコシルセラミドを機能性関与成分にした機能性表示食品を巡っては、化粧品最大手の資生堂がタブレット状の「飲む肌ケア」を先月21日に発売し、交通広告等を展開しながらドラッグストアなどで販売している。また、ポッカサッポロフード&ビバレッジも飲料「キレートレモン Moisture」を届け出ており、年内にも販売を開始するとみられる。そのような中で、グルコシルセラミドを関与成分にした飲料「素肌ウォーター」で制度始まって以来の〝肌トクホ(特定保健用食品)〟の表示許可を取得している資生堂が同品の発売に踏み切れば、激しい競争が繰り広げられることにもなる。