植物工場の栄養機能食展開が活発 外食産業など主な需要先(2016.10.27)


 機能性表示食品制度の導入などを契機に、植物工場で栄養機能食品の商品化が活発化している。

 植物工場で栽培された野菜など生鮮食品は、露地野菜に比べて安全性や栄養成分の管理がしやすいなどから、特に東日本大震災以降、事業化に乗り出す企業が増えている。しかし、価格が割高になるため、スーパーなどでの品揃えはまだ少なく、レストランや通信販売向けなどが主な需要先となっている。

 このため植物工場各社では、商品の高付加価値化戦略の一環として、栄養機能食品として展開する動きが活発化している。NKアグリ㈱は、自社の植物工場産レタスを栄養機能食品として市場投入する方針だ。同社は9月に露地野菜としては初の栄養機能食品「こいくれない」(リコピン人参)を販売しており、栄養機能食品の商品ラインアップを強化していく。

 また、神奈川県の㈱キーストーンテクノロジーは、ポリフェノール、葉酸、β‐カロテンを多く含むサラダ素材の販売を開始する方針。植物工場産の栄養機能食品「キュアリーフ葉酸」を展開する三菱化学㈱は、神奈川県のプロジェクトの一環として、ABCクッキングスタジオと共同して、同素材を使った料理教室イベントなどを行う。

 業界関係者によると、植物工場産商品の栄養機能食品化が活発になっている背景には、台風被害など、近年の露地野菜の供給リスクの高まりと価格高騰も影響しているという。


Clip to Evernote

ページトップ