特別用途食品でも不備 キッセイ薬品工業の2品(2016.11.2)


 キッセイ薬品工業㈱は2日、販売していた特別用途食品(特用)の2商品について、許可基準に合わないことが判明したため販売を取り止めると発表した。2商品とも許可基準型特用の一つである低タンパク食品で、タンパク質含量が許可基準より僅かに多かった。背景には、社内に許可基準や製品規格に関する事実誤認があり、その点に対するチェック体制の不備もあったとしている。

 販売を中止したのは、腎不全患者用の低タンパク質食品「げんたそうめん」「げんたうどん」の2商品。同社によると、タンパク質含量について許可を受けた製品規格値は前者が100㌘当たり最大2.8㌘、後者が同2.3㌘だった一方で、外部機関で分析したところ、同3.2㌘、同2.5㌘とそれぞれ僅かに超過していたという。

 許可基準値の超過が分かったのは、消費者庁が特用の表示許可取得企業全16社に先月依頼した、品質管理調査の結果を同社が同庁に提出したことによる。同社では、タンパク質含量が表示値のプラス・マイナス20%以内であれば許可基準上の問題はないと認識していたが、同庁から製品規格値を超えているとの指摘を受け、初めて誤認に気付いたという。

 一方、2品のうち「げんたうどん」については、同庁に提出した分析結果は許可基準通りだった。ただ、分析結果を2009年まで遡って調べたところ、やはり超過していた場合もあったことが判明。「社内で適切な品質管理がなされていなかった」(同社)ことを重くみて、同品についても販売中止を決めた。近く、2商品とも失効届出(許可消滅事由該当届書)を同庁に提出する。

 同庁によると、特用の品質管理調査の結果、調査対象全64品目のうち不備が発覚したのは同2品のみだったという。

Clip to Evernote

ページトップ