沖縄県 県産農産物で届出加速 シークワーサーで機能表示(2016.11.10)


 沖縄県が地元農産物を活用した機能性表示食品への展開を加速させている。この一環として、JAおきなわは来年度にも国内初となるシークワーサーの果汁飲料タイプで、機能性表示の届出を行う方針だ。他にもいくつかの素材で機能性表示への開発が進んでおり、来年度は機能性表示の届出ラッシュとなりそうだ。

 沖縄県では今年度、地元農産物の機能性表示食品化を目指す「健康食品ブランド化推進基盤構築戦略」に取り組んでおり、関与成分として、「主にβ‐クリプトキサンチン、GABA、クエン酸などに着目した機能性表示の研究開発」(県商工労働部)に力を入れている。

 この一環として注目されるのが、JAおきなわによるシークワーサーの機能性表示食品化。県農林水産部の委託事業の形で開発が進んでおり、早ければ12月にもヒト介入試験を実施する見通しだ。現在、関与成分やヘルスクレームの検討を行っているが、「業務用パウダーではなく、果汁入りジュースとして機能性表示食品を目指している」(JAおきなわ)という。

 実際の臨床試験は、コスト効率に優れた試験体制(江別モデル)を持つとされる北海道情報大学が担当する予定だ。シークワーサーは柑橘類の中でノビレチンの含有量が最も多いとされているが、柑橘類の飲料タイプは成分管理など機能性表示食品化に向けたハードルも高いため、関与成分や作用機序の選択を慎重に行う考え。

 届出が実現すれば、「シークワーサー飲料では国内初となる」(同)見込みだ。

 県商工労働部によると、このほか、もろみ酢(ヘリオス酒造など)、もずく、ウコン、ゴーヤ、春ウコン、パパイヤなどの複数の素材で、関係企業の機能性表示への研究開発が進んでいるという。県外の大学とも連携する。

Clip to Evernote

ページトップ