トレハが運動能を向上 オートファジーにも影響(2016.11.21)


 ㈱林原は17日、第20回トレハロースシンポジウムを東京・千代田区の御茶ノ水ソラシティで開催した。大学や研究機関、食品メーカーなどから約300名が出席するなか、トレハロースの健康効果や物性についての最新知見が発表された。

 関西大学人間健康学部の弘原海(わだづみ)剛教授は、東京五輪開催を4年後に控え、トレハロースのスポーツニュートリションとしての可能性を探った研究結果を披露した。

 トレハロースは摂取後の血糖値上昇が緩やかな性質から、運動終盤においてもエネルギー源となり、運動パフォーマンス向上に寄与できると弘原海教授らは想定。それを実証する目的で、健常な男子大学生17名を対象に、トレハロース(T)またはグルコース(G)8%含有飲料を飲用してもらい、自転車エルゴメーターを用いた超高強度間欠性運動試験を実施したという。

 その結果、T摂取群はG摂取群と比べて、血糖値が緩やかに上昇するとともに試験後の血糖値が高く、平均パワー値と最大パワー値ともに、T摂取群が高値を示したと弘原海教授は報告した。

 トレハロース飲料の脂肪または糖質代謝への影響を調べた試験では、T摂取群はG摂取群に比べて有意に脂肪を燃焼。弘原海教授は「トレハロース飲料は、糖質の温存に繋がる」と指摘した。

 弘前大学医学研究科の丹治邦和助教授は、トレハロースが脳内オートファジーに作用するか検証した試験結果を発表。神経変性疾患モデルマウスにトレハロースを投与した結果、既に凝集している異常分子には効果が見られなかったが、異常分子発現量の有意な減少を確かめたと報告した。


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