消費者庁が特定保健用食品(トクホ)制度を改正する方針を固めた。初の表示許可取消し処分に至った関与成分問題を受け、再発防止には制度改正が必要と判断。販売中のトクホについて、第三者機関による関与成分量の定期的な分析を法的に義務付けるなどして、許可後の事後チェックを強化する方向だ。事業者負担がさらに増すことになる。
現行制度で定期分析は義務づけられていないが、「消費者庁次長通知」(特定保健用食品の表示許可等について)を改正し、関与成分量の外部での定期分析および分析結果の同庁提出に関する規定を追加し、義務化する。年1回程度の分析を義務づけたい考えだ。
また、有効性や安全性に関わる「新たな科学的知見」を入手した場合も、同庁への報告を法的に義務づける方向だ。
以前から「許可の条件」として要求していたものの、法的強制力はなかった。トクホを規定する健康増進法の内閣府令を改正することで、これを義務化する。
制度改正の時期について同庁は、「可能な限り速やか」にと述べるに止めているが、今年度中の改正を目指したい考え。ただ、内閣府令の改正は、消費者委員会への諮問、パブリックコメントなどの手続きを行う必要がある。
同庁は、再発防止の一貫として、定期的な買上げ調査を実施する方針も掲げた。もともと来年度から実施予定だったが、前倒して今年度から始める。対象は、先ごろ同庁が実施したトクホ関与成分量調査で、「試験時期が古い品目」と「自社分析品目」の二つを挙げている。
また、販売の有無に関する定期的な調査も行う。同調査の結果、現在販売されているトクホは、表示許可取得1271品目のうち366品目にとどまることが明らかになっていた。