届出公開 難デキでも300日超 機能性表示 制度施行時は20日足らず(2016.12.8)


 難消化性デキストリンを機能性関与成分にした機能性表示食品を届け出ても、届出情報公開までに300日以上も掛かる場合がある──。5日と6日に京都で開催された日本抗加齢協会の第1回学術フォーラムで、こんな届出事例が紹介された。

 事例紹介したのは、「企業における機能性表示食品の展開」と題した講演を行ったファンケルの宮島和美社長。先月25日に届出情報が公開された難デキを機能性関与成分とする同社の『グリーンケールスムージー』は、初回の届出書類提出から公開までに「303日」もの期間を要したという。届出表示は、「おなかの調子を整える効果があることが報告されています」

 一方、制度施行初期に届け出た『えんきん』など3品目は、初回書類提出から20日以内に公開されていた。

 宮島社長は、「企業から見た機能性表示食品制度の最大の課題とは、届出から公表までに時間が掛かることだ」と述べ、現状はマーケティングや経営計画に支障をきたしていると指摘。ただ、「批判ばかりしていても解決しない」と語り、「どうすれば解決できるか。届出の進め方などやり方はいろいろあるだろう。我々(企業)だけでなく、消費者庁も一緒になって考えていく必要がある」と呼びかけた。

 宮島社長が講演を行ったシンポジウムには、同庁食品表示企画課の赤﨑暢彦課長も登壇した。
 このシンポで座長を務めた同協会副理事長で、規制改革推進会議委員の森下竜一氏は、届出受理までに長期間を要している現状に問題意識を表明。「このまま放置できない」と述べた。また、機能性表示食品制度は同会議の「フォローアップ案件だ」とした上で「引き続き注視していきたい」とも語り、今後対応に動く可能性を示唆した。

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