トクホ、新知見報告義務付で意見募集 消費者庁 消費者委に相談なく(2016.12.8)


 消費者庁は、特定保健用食品制度について、表示許可後に有効性や安全性に関する「新たな科学的知見」を得た際は同庁への報告を義務付けることを柱とする、内閣府令改正案を5日までに取りまとめ、同日から意見募集を開始した。来年1月4日まで募集し、2月上旬に施行する。

 今回の『健康増進法に規定する特別用途表示の許可等に関する布令』の改正は、トクホ「関与成分問題」の再発防止策の一環。同庁は問題を重く受け止めており、新年度を待たずに急ぎ施行する構えだ。ただ、関係する消費者委員会に意見のすり合わせを行わないままパブリック・コメントを開始するのは異例。同委の河上正二委員長は6日の本会議で、「大変遺憾だ」と述べた。

 この日の消費者委員会本会議では、同委が健康食品の表示・広告の適正化対策や、トクホ制度の運用・見直しについて今年4月に取りまとめていた「建議」に対する消費者庁の実施状況について同庁から意見聴取した。同庁は10月末に実施状況を同委に報告していたが、ヒアリング終了後も河上委員長は「まだまだ疑問が晴れない」として、引き続き議論していく考えを示した。

 同庁はトクホについて今後、関与成分量を分析するための定期的な買い上げ調査などを通じて事後チェック体制を強化する方針を示している。ただ、消費者委は、買い上げ調査でなく法令に基づく「収去調査」の実施を要求。これに対して同庁は、収去調査は違反の蓋然性の高いものを対象に行うものだとし、まずは買い上げ調査を実施する必要があると訴えている。

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