届出未処理 800件も 書類提出は1300件超(2016.12.8)


 機能性表示食品の届出について、昨年4月の制度施行以来の消費者庁への届出書類提出件数は既に1300件台に達し、そのうち受理に至らない未処理案件が800件超も存在することが、今国会で明らかになった。6日現在の届出総数は自主撤回分も含めて562件。

 衆議院で11月22日に開かれた「消費者問題特別委員会」で、自民党所属の小倉將信議員の質疑を受け、消費者庁の吉井巧審議官が答弁した。同庁担当課も、同25日開催の「機能性関与成分検討会」最終会合の後に行った記者向け説明会の質疑応答で、届出状況に関する質問に対し、吉井審議官の答弁を引き合いに出す形で同様に答えた。

 一方、未処理案件の中には、同庁とのやり取りが停止状態のものも一定数存在するという。そのため、未処理案件の全てが「受理待ち」状態というわけではなさそうだ。

 ただ、同庁担当課の届出書類確認体制が、産業界の動きに対応出来ていない状況が改めて浮き彫りになった。植物エキスなどを機能性関与成分の対象に加えるに当たっては、新たな提出資料が増えることも予想されるため、同庁の人員体制など体制整備が強く求められている。

 食品の機能性表示制度創設を先導した規制改革推進会議委員の森下竜一氏は5日、副理事長を務める「日本抗加齢協会」主催の学術フォーラムに登壇した際、届出書類提出から公表までに長期間を要している現状に問題意識を表明。「このまま放置できない」とした。また、機能性表示食品制度は同会議の「フォローアップ案件だ」とした上で、「引き続き注視してきたい」とも述べ、今後、この問題の対応に動く可能性を示唆した。

 同庁の吉井審議官は国会答弁で、未処理案件が積み上がっている理由について「制度施行されてまだ間もない。事業者が作成する届出資料に若干の誤りも見受けられている。形式的確認ではあるものの、確認作業に多くの時間を要してしまう場合がある」などと述べた。

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