機能性表示届出 難デキでも300日超 (2016.12.8)
届出実績の多い難消化性デキストリンを機能性関与成分にした機能性表示食品を届け出ても、届出情報公表までに300日以上も掛かる場合がある──。5日と6日の二日間にわたり京都で開催された日本抗加齢協会(吉川敏一理事長)の第1回学術フォーラムで、こんな届出事例が紹介された。何らか固有の理由があった場合を考慮に入れる必要はある。ただ、これでは規格基準型トクホとして申請したほうが、早く販売を始めることができそうだ。
事例紹介したのは、「企業における機能性表示食品の展開」と題した講演を行ったファンケルの宮島和美社長。11月25日に届出情報が公開された、難デキを機能性関与成分とする同社の『グリーンケールスムージー』は、初回の届出書類提出から情報公開までに「303日」もの長期間を要したという。公表された届出表示は、「おなかの調子を整える効果があることが報告されています」
宮島社長の話によれば、制度施行初期に届け出た『えんきん』など3品目は、初回書類提出から20日以内に届出情報が公表された。一方、昨年7月中旬に届け出た『快眠サポート』など2品目は63日間前後。さらに7月31日以降に届け出た『腰ラックス』など4品目に関しては、早くても200日間以上と、制度運用が進むにつれて届出公表までの期間が大幅に長期化しているという。
業界内では以前から、消費者庁による届出書類の形式確認が、昨年8月ごろを境に急に厳しくなったとする話が伝えられていた。
宮島社長は講演で、「企業から見た機能性表示食品制度の最大の課題とは、届出から公表までに時間が掛かることだ」と述べ、現状はマーケティングや経営計画に支障をきたしていると指摘。ただ、「批判ばかりしていても解決しない」と語り、「どうすれば解決できるか。届出の進め方などやり方はいろいろあるだろう。我々(企業)だけでなく、消費者庁も一緒になって考えていく必要がある」と呼びかけた。
宮島社長が講演を行ったシンポジウムでは、森下仁丹の駒村純一社長、ロート製薬のジュネジャ・レカ・ラジュ副社長のほか、同庁食品表示企画課の赤﨑暢彦課長も講演した。