通販協会長 「業界の発展が消費者守る」(2017.1.12)
日本通信販売協会は6日、新年賀詞交歓会を都内で開き、挨拶に立った阿部嘉文会長(=写真)は機能性表示食品について、「規制よりも活性化と拡大に向けた取り組みこそが重要だ」と語り、「業界の健全な発展こそが、消費者を守ることにつながるという視点を大事にしていきたい」と強調した。「自主規制団体として、より襟を正していく」とも語った。
来賓挨拶に立った消費者庁の川口康裕次長は、機能性表示食品について「おかげ様で届出公表が600件を超えた」と紹介し、「引き続き、作りやすく、売りやすく、そして消費者に信頼される制度に育てていきたい」と語った。
川口次長はまた、昨年末に公表した機能性関与成分に関する検討会報告書についても触れ、その内容を今後「食品表示基準、届出データベース、ガイドライン改正に反映させていきたい」と述べた。
一方、阿部会長は、昨年の景況感について、「消費税率アップの再延期があったにもかかわらず、消費動向は必ずしも好調とは言えない1年だった」と振り返った。
ただ、2015年度の通販業界全体の市場規模は前年度比5.9%増の6兆5100億円に達したとし、「百貨店業界に並ぶ規模」と紹介。しかしながら、未だに有識者の一部からでさえ「通販は昔ながらの特殊な事業だと見なされている」と指摘し、「このままでは国際化の波の中で遅れを取ってしまうのではないか。アジアの中でも他国に主導権を握られてしまうのではないか」と懸念を示した。
【写真=阿部 嘉文 会長】