特定適格消費者団体 消費者機構日本が初認定(2017.1.12)
初の特定適格消費者団体として「特定非営利活動法人 消費者機構日本」(東京都千代田区、会長=中山弘子氏、代表理事理事長=和田寿昭)が認定された。昨年10月1日施行の消費者裁判手続特例法に基づき内閣総理大臣が認定したもので、事業者と消費者の間で生じた消費者の財産的被害の回復を巡る民事裁判手続を主体的に追行できる。認定は昨年12月27日付。消費者庁が同日発表した。認定の有効期間は3年。
特定適格消費者団体は、不特定の消費者の利益を損なう事業者の不当行為に対する差し止め請求権を行使できる適格消費者団体の中から、一定の要件を満たす団体が認定される。消費者機構日本は2007年に適格消費者団体の第1号として認定を受けていた。適格消費者団体は現在、全国に14団体ある。
消費者庁の岡村長官は12月28日、初の認定について「特例法に基づく被害回復の制度の担い手が誕生し、制度の実質的な運用が開始されることになる。今後、特定適格消費者団体の適切な活動により、消費者被害の救済が図られることが期待される」と会見でコメント。また「適格消費者団体等の活動に用いることができる基金の設立準備が、全国消費者団体連絡会を中心に進められている」とし、同庁としても基金設立を後押しする考えを示した。
適格消費者団体の権限は差止請求権の行使に限定される一方で、特定適格消費者団体は損害賠償訴訟を提起できる。適格消費者団体と比べて消費者の金銭的な被害回復を直接的に図ることのできる存在だ。ただ、そうした強い権限を濫用されれば、事業者の事業活動に不当な影響を及ぼしかねない。そのため特例法案は衆議院で、そうした影響を及ぼさないようにするための方策を「速やかに検討を加え、必要な措置を講ずる」とする附則が追加された。