食薬区分見直しを政府に要望 JABEXとAIFN
(2017.1.30)
食薬区分の見直しを政府に求める声が産業界から上がっている。食薬区分の審議を行うワーキング・グループによる審議過程の透明化や、海外でサプリメントに使われている素材が収載されている場合も目立つ医薬品リストの改定などを要求。医薬品リスト収載成分が天然に含まれる生鮮食品について、機能性表示食品として届け出られるようにする制度運用の追加も求めている。
要求しているのは、バイオ関連業界団体の日本バイオ産業人会議(JABEX、塚本芳昭事務局長)と、国際栄養食品協会(AIFN、天ケ瀬晴信理事長)。政府・規制改革推進会議が設けた「規制改革ホットライン」を通じて昨年提案し、同会議は先月19日付で、食薬区分を所管する厚生労働省に検討を要請した。
同会議は今後、厚労省からの回答を受け、どのように対応するかを判断する。
食薬区分関連で2件の要望を提案したJABEXは、企業などからの照会を受けて食薬区分の審議を行う厚労省のワーキング・グループについて「最終判断に至った理由が不明瞭で審議結果に納得がいかないものもある」とし、議事録の公開を要求。また、玄米に含まれるγ‐オリザノールを引き合いに出し、医薬品リストに収載されているため機能性表示食品として届出申請できないと指摘し、農業振興の観点からも食薬区分の規制緩和を求めた。
一方、AIFNでは、医薬品として使用されている成分であっても「食品として有用かつ安全」なことが明らかな素材・成分は、医療費抑制の視点も踏まえて非医薬品リストに積極的に加えることを検討するよう要望。JABEXでも同様の提案を行っており、同2団体で連携し要望したものとみられる。