表示対策課が警告 「品質管理怠れば優良誤認」 (2017.2.23)
消費者庁は14日、日本サプリメントに措置命令を下したのと同時に、トクホと機能性表示食品に関する景品表示法の新たな執行方針を全許可事業者・全届出事業者に対して通知し、品質管理と表示に関する社内確認を徹底するよう要請した。トクホに関しては、許可要件を満たさない商品を販売することは健康増進法上問題になると同時に、表示と実際が著しく異なれば優良誤認に当たるため景品表示法上からも問題になると指摘。今後、同庁として監視を強化し、景表法違反事例に接した場合は「厳正に対処する」と警告した。
通知は、同庁表示対策課長を差出人とし、「特定保健用食品等に関する景品表示法の取組について」の標題で発出。日本健康・栄養食品協会にも通知した。
表示対策課は通知で、トクホと機能性表示食品の双方について、「表示実態の把握等」を実施する方針を示した。許可および届出のあった「全商品」に関し、当面の間、「表示状況の監視を毎年度実施する」という。ウェブサイトなどを監視し、許可や届出の範囲を超えた表示が行われていないかどうかを調べ、問題のある表示に接した場合、「当該表示の状況等を踏まえ、適切に対処する」としている。
トクホに関しては、同庁食品表示企画課が、関与成分量などを調べる買上げ調査を今年度中に行う計画を明らかにしている。表示対策課は、その調査結果も注視しているとみられる。
表示対策課長は14日に行った会見で、「トクホ等は常時監視体制にあるということをよく認識し、緊張感をもって事業に当たっていただきたい」と強い口調で述べ、トクホのみならず機能性表示食品も常時監視対象だと警告を発した。
食品表示企画課は、機能性表示食品に関しても買上げ調査を今年度行う計画を明らかにしている。昨年度にも同様の調査を行ったが、今年度は買上げ品目数を大幅に増やす方針。昨年度調査の結果からは、分析方法が適切だったかどうかは不明だが、機能性関与成分含有量が表示値よりも多かったり、少なくなかったりする商品が一部見つかっていた。表示対策課は、機能性表示食品についてもトクホの関与成分問題と同じような問題が起こる可能性があるとみている。
一方、表示対策課は、「いわゆる健康食品」に関しては一切言及しなかった。流通数としてはトクホや機能性表示食品よりも圧倒的に多い。それらについて品質管理の徹底を求めないのであれば、トクホ関与成分問題の再発防止対策も「片手落ち」と言えそうだ。