届出事前チェック 「第三者機関」議論せず 前回会合で日健栄協提案(2017.3.9)


 日本健康・栄養食品協会が昨年12月に規制改革推進会議に提案していた機能性表示食品の「第三者機関による届出資料の事前チェックの実施」について、同会議の医療・介護・保育ワーキンググループ(WG)は、機能性表示食品の届出改善を議題に先月28日に開いた会合で議論しなかった。会合終了後に会見を行った規制改革推進室が明らかにした。

 日健栄協の下田智久理事長は、WGが昨年12月14日に開いた会合に出席し、「行政と事業者の協力のもと届出事務の効率化を図る」手段の一つとして、第三者機関が届出を事前チェックする仕組みの導入を提案していた。

 同会議の関係者はこの提案について先月27日、非公式の場で、「まったく検討していない。(機能性表示食品制度は)届出制だからだ」などと語り、必要書類の形式確認のみで受け付けることが行政手続法で規定されている届出制に対し、事前チェックの仕組みを制度導入することは法的に適切ではないとする見解を示していた。

 一方で、日健栄協の独自の取り組みとして事前チェックを行うことは可能とみられる。ただ、消費者庁が実質的な審査が伴うと指摘されている事前確認を今後も継続すれば、事前チェックが二重に行われるに過ぎないことになる。明らかな不備のある届出書類の前さばきには有効といえ、同庁の書類確認負担の軽減につながる可能性が考えられるものの、現状のままでは届出者にとってのメリットは薄いといえそうだ。

 日健栄協は、機能性表示食品制度の設計に関する検討会が始まる前の2013年4月、企業による申請を第三者が認証する「第三者認証制度」とするよう規制改革会議に提言していた。

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