糖質・糖類等届出開始時期 来年4月以降の可能性高く (2017.3.9)


 機能性表示食品制度を所管する消費者庁の食品表示企画課は7日、機能性関与成分の対象にエキス等や糖質・糖類を追加する改正制度の運用開始時期について、2018年度以降となる可能性を示唆した。

 日本通信販売協会の主催で7日都内で開催されたセミナーに登壇した同課課長補佐が、「はっきりとしたことは言えない」として明言を避けつつ「今年中にガイドラインができたとしても平成30年度以降」と発言。別の同課関係者も、「(届出を受け付けるために必須となる)届出データベースの改修にかなり時間がかかる」と話しており、届出の受付開始は「早くても」来年4月以降になる可能性があるとしている。

 同庁は、機能性関与成分の対象拡大に際し、有識者や業界の意見も聞きながら届出ガイドライン(GL)の改正を行う。改正GLは、事業者がエキス等や糖質・糖類を届け出るための「指針」となる重要なものだが、改正作業の進捗について同庁関係者は「まだ煮詰まっていない」と話している。改正GLを取りまとめられる時期に関しても正確に見通せないのが現状のようだ。

 制度対象に今後正式に加わることになるエキス等は、検討会報告書の段階で比較的細かな要件が示されていた。ただ、実際に運用するためには現行届出様式の変更や追加を含めたさらに細かな検討が必要で、糖質・糖類と比べて改正GLの検討に長期間を要す可能性が高い。

 そのうえ、昨年行われた検討会では委員から、万全を期すため実際に届出の受付を始める前に試験的な運用を行うべきだとする意見が上がっていたため、改正GL案がまとまった後に試験運用が行われる可能性もある。届出データベースの改修作業は、これら全ての検討作業を終えた後にようやく始められるものとみられる。

 機能性関与成分の取り扱い等に関する検討会は、昨年1月末から11月末まで全11回にわたり行われ、報告書は12月末に公表されていた。この日のセミナーに参加した業界関係者は、「(受付開始は)今年の秋口ぐらいだろうと思っていた」とし、同課課長補佐の発言について「驚いている」と話した。

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