JAXAとヤクルト本社 乳酸菌を宇宙へ (2017.3.9)


 ㈱ヤクルト本社と宇宙航空研究開発機構は、宇宙空間での乳酸菌摂取が、腸内環境と免疫機能に与える影響を調査する。研究のスタートは、今月の国際宇宙ステーションへのフライトからを予定している。研究期間は2019年度まで。

 研究で使用する乳酸菌は、ヤクルト本社のL.カゼイ・シロタ株。試験は、宇宙飛行士10名を被験者に国際宇宙ステーション内で実施する。被験者を摂取群と非摂取群に分け、摂取群には凍結乾燥したL.カゼイ・シロタ株を4週間、1日あたり400億個以上摂取してもらい、唾液と血液検査で免疫機能、糞便検査で腸内環境の状態を調査する。

 長期宇宙滞在では、骨量減少や尿路結石、免疫機能低下などの生理的課題、長期間の閉鎖環境によるストレスや睡眠問題といった精神心理的課題、宇宙放射線の長期低線量被ばくといった放射線被ばく課題が挙げられている。

 これら課題を解決できる機能性宇宙食の開発が検討されているなか、ヤクルト本社と宇宙航空研究開発機構は、14年度からシロタ株で評価することを目的に、地上で準備を進めていた。

 また、今回の研究を進めるにあたってヤクルト本社らは、地上における災害時や高地、深海などの特殊環境下での生活にも、乳酸菌を活用してヒトの健康に役立てることを目指す。

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