消費者庁 水素水販売3社に措置命令 「セカンドオピニオン事業」活用(2017.3.9)


 水素水関連食品について合理的根拠がないにもかかわらず痩身効果や疾病予防効果を表示していたのは優良誤認に当たるなどとして、消費者庁は3日、飲料やサプリメント状の水素水関連食品を販売している3社に対し景品表示法に基づく措置命令を行い、発表した。水素水関連食品の表示を巡っては、商品テストを行った国民生活センターが昨年12月、効能効果に関する表示・広告を行っている商品が複数見受けられると指摘していた。

痩身表示等に優良誤認認定
 同庁表示対策課食品表示対策室によると、3社のうち2社は、同庁の要請に応じて表示の根拠資料を提出した。ただ、「細胞試験、動物試験、病気の人を対象にした試験」だったといい、一般的に食品が対象とする健常者に対する表示の合理的な根拠に当たらないと判断。判断根拠は、同庁が昨年4月に導入した「健康食品の機能性等に係るエビデンスのセカンドオピニオン事業」に基づいており、今回は同事業を活用した初の行政処分だという。

 同庁によると、措置命令を行ったのはマハロ(東京都港区)、メロディアンハーモニーファイン(大阪府八尾市)、千代田薬品工業(東京都千代田区)の3社。措置命令対象商品はいずれも通信販売されており、マハロと千代田の直近売上高は年間で1億円を大きく下回る一方、メロディアンハーモニーはおよそ6億円を売り上げていた。不当表示を認定した期間は、いずれも昨年4月以前であるため課徴金の対象には当たらない。

 3社とも対象商品を摂取するだけで著しい痩身効果を得られるかのように示す表示を行っていたという。またメロディアンハーモニーは、脂質代謝促進、血糖値の急上昇抑制、炎症の抑制による肩こりや筋肉痛の軽減などといった効果効能を訴求する表示も行っていた。

 表示の根拠資料を同庁に提出したのはメロディアンハーモニーと千代田の2社。水素水に関して大学研究機関との共同研究などを行っていたメロディアンハーモニーの門田孝行社長は「措置命令を真摯に受け止め、再発防止のため管理体制の一層の強化に努める」としつつ、「今後は、健常者を対象にした機能性研究をしっかり進めていきたい」と取材にコメントした。

 一方、国民生活センターは商品テストで、商品中の水素濃度に関する課題指摘も行っていたものの、同庁は、今回の調査で水素濃度を調べたかどうかについて明らかにしなかった。

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