ウェルク記事 薬機法違反の可能性も 第三者委が指摘  DeNAが報告書(2017.3.13)


 ディー・エヌ・エー(DeNA)は13日、キュレーションメディア(まとめサイト)事業で発生した不適切記事掲載などの問題について、第三者委員会による調査報告書を公表した。報告書は同社運営の医療系サイト『WELQ(ウェルク)』に掲載された記事について違法性を指摘。薬機法や健康増進法などに抵触する可能性のある記事があったほか、全10サイトに掲載された画像472万点超のうち74万点以上に著作権侵害(複製権侵害)の可能性があるなどとしている。

 第三者委は、外部が記載内容の信憑性などを問題視したウェルク掲載の医療関連記事19本について関連法規に抵触していないかどうかを調査。その結果、法律違反の可能性のある内容を含む記事が薬機法に関して8本、健増法と医療法に関して1本ずつの計10本あったという。

 第三者委が薬機法違反の可能性を指摘した記事の中には、市販サプリメント中の特定成分について、「オススメ妊活サプリ」「不妊を改善したり、毎月のリズムを整えたり、妊娠にもいい働きをしてくれるというのです」などと記載していたものもあった。

 第三者委によると、ウェルクの執筆者向けマニュアルでは、効能効果に関する記載については断定的な表現を避けるよう指示。「『〇〇によいとされる』などといった伝聞形式での表現を用いるよう指示していた」といい、報告書はこうした指示について、「伝聞形式での表現を用いれば医薬品等の効能効果を標ぼうしたことにはならず、薬機法等に抵触しないという(中略)誤った理解に基づく不適切な内容の記載」と指摘したうえで、こうしたマニュアルの存在が「薬機法等に違反する可能性のある記事を誘発した可能性を否定できない」としている。

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