ジャパンライフ 業務停止、12カ月に 消費者庁 預託法、特商法で(2017.3.23)
消費者庁は16日、家庭用磁気治療器の預託取引、連鎖販売取引を行うジャパンライフ㈱(東京都千代田区)に対し、預託法及び特定商取引法に基づき、業務の一部を停止するよう命じた。今月17日から12月16日の9カ月間。昨年12月からの3カ月間の業務停止が解ける直前での追加措置で、計12カ月間の一部業務停止処分となった。
今回認定した違反行為は、預託法における故意による事実不告知、書面の交付義務違反や書類の備置き義務違反、特商法の訪問販売及び連鎖販売取引の故意による事実不告知。
事実不告知では、同社が扱う「ファイブピュアジュエール」と称するネックレスタイプの磁気治療器について、2015年3月末から16年12月末までの間、預託を受けている個数と実際に同社が保管している個数に大幅に開きがあった。預託を受けている2万2441個に対し、実際に顧客に賃貸していた個数は2749個。残りの1万9692個について、保管されているとされる同社の埼玉工場を同庁が調べたところ、同商品の保管は95個が存在していただけで、それら商品の保有状況の事実を顧客に告げていなかったとしている。
また書面の交付義務違反では、同商品の上代購入契約に関する負債の額は約287億7000万円にのぼるが、賃貸対照表の負債の部には94億5000万円しか計上されていなかったなどとして虚偽の記載にあたるとした。
今回の発表後、岡村和美消費者庁長官は、「引き続き、本件のような全国的な広がりのある重大事案に重点的に取組み、法と証拠に基づき法違反行為には厳正に対処し、消費者被害の防止に一層積極的に努めていく」などを主旨とする談話を出している。
なお同社は、ホームページ上で今回の件について「消費者庁の杜撰な調査と事実無根の一方的な思い込み」による処置に抗議するとともに、法的処置も行っていると発表(21日現在)。また同社では現在、訪問販売、連鎖販売、預託取引はしておらず、「昔の業務についての処分であり、現在の業務については問題ありません」とし、今後も店舗直接販売の業務を行っていくとしている。