プラズマローゲン ホヤ由来開発しOEM供給 三生医薬  (2017.3.23)


 認知機能改善作用のある可能性がヒト試験で示唆されているリン脂質の一種、プラズマローゲンについて、健康食品受託製造大手の三生医薬(静岡県富士市)がホヤ由来原料を開発した。2年前から社内に原料開発専門部門を新設し独自原料の開発を進めており、その一貫として取り組んでいたもの。原料供給はせず、同原料を配合したソフトカプセル製剤を中心に受託製造を行う。

 今年2月に出展した展示会を皮切りに提案を始めており、複数の販売会社が最終商品の発売検討を進めている。プラズマローゲン含有原料は以前から市場流通しているが、ホヤ由来は初。水産物由来健康食品原料に強みがある国内企業と連携して抽出技術を確立したうえで開発した。

 同社は今後、販売会社がホヤ由来プラズマローゲンを機能性関与成分にした機能性表示食品の届出を行えるようにするため、健常者を被験者にした臨床試験を実施する計画。由来の異なるプラズマローゲンを使用したヒト試験はこれまでに国内で2件発表されているが、いずれも被験者は病者。試験結果からは、記憶機能改善作用を持つ可能性が示唆されている。

 同社によるとホヤはホタテや鶏と比べてプラズマローゲン含量が多く、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)も豊富に含まれるといい、ほかの由来の原料と比べて製造コストを抑えられるのが強み。また原材料についてはホヤの養殖で国内シェア6割超を占める宮城県産を主に使用する。これにより原材料の安定確保にも万全を期した。宮城県は東日本大震災の影響を大きく受けたこともあり、県の生産物を有効活用することで復興支援にもつなげたい考えだ。

 プラズマローゲンの含有量は1%以上で規格化した。酸に対して不安定な成分のため、OEMに当たっては、同社が知的財産権(特許第5878669号)を保有する未コーティング腸溶性ソフトカプセル「E‐カプセルクリア」などソフトカプセルを中心にした製剤化を勧める。

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