トクホ広告審査会が公表 広告40件に課題 (2017.3.23)


 日本健康・栄養食品協会は9日、特定保健用食品(トクホ)の広告171件について関連法規等に対する適合性を調べた結果を公表した。131件は「問題なし」(21社53商品)と判定できた一方で、残り40件には課題があり、当該企業に改善を促したという。健康増進法に抵触するおそれもあると判定したものも1件(1社1商品)あった。

 審査は特定保健用食品広告審査会(林功委員長)が昨年12月に実施した。今回の審査対象は、2015年10月から16年6月末まで9カ月間に収集したトクホ広告171件(23社56商品)。

 審査会を開いたのは今回で5回目。前回の審査会(16年4月)でも、健増法に抵触するおそれのあるもの、適正広告自主基準や消費者庁質疑応答集に著しく抵触するものを意味する「A判定」が1件出ていた。

 発表によると、今回の審査で自主基準や質疑応答集に「抵触するもの」に該当するB判定は19件(3社3商品)、同じく自主基準などに「抵触するおそれのあるもの」および「消費者に誤認を与える恐れのあるもの」のC判定は20件(6社10商品)だった。前回審査ではB判定6件(4社4商品)、C判定19件(9社25商品)だったため、商品数自体は減ったもののB判定が大きく増加したことになる。

 A判定となった広告の媒体は「雑誌」だった。一方、BおよびC判定となった広告の媒体について最多だったのはいずれも「テレビ」で14件ずつ。「新聞」はB判定が5件、C判定が4件だったという。

「行政の監視厳しく 制度全般に影響」 審査会委員長が談話
 日健栄協・特定保健用食品広告審査会の林委員長は、第5回審査結果の公表に合わせて談話(審査概評)を出した。消費者庁が昨年9月に行った初のトクホ許可取消しを引き合いに出し、「行政の監視の目が厳しくなっており、今後トクホをはじめとする健康食品に関わる制度への様々な影響が懸念されている」などとし、トクホを含めた健康食品全般の今後の行方に不安感を示した。

 林委員長はまた、「消費者に定着したトクホ制度をより健全に維持、発展させるため」として、「機能性表示食品との共存も意識しながら、トクホの広告・表示が消費者にとってわかりやすいものとなるよう、より一層ご尽力いただきたい」と各企業に呼びかけた。

Clip to Evernote

ページトップ