新潮記事「新たな知見に当たらない」 消費者庁長官が見解(2017.3.30)
先週発売の週刊新潮に掲載された特集記事「トクホの大嘘」について、特定保健用食品制度を所管する消費者庁の岡村和美長官は29日の定例会見で、記事内容は「新たな知見」には当たらないとの見解を示した。ただ、「本日現在」の考えだと断り、見解が今後変わり得る可能性を示唆した。新潮は30日発売の最新号で同特集の第二弾を予告通り掲載。第一弾に引き続き難消化性デキストリンを主要ターゲットとし、極めてネガティブな論調で紙面を埋めた。
同庁はトクホ制度について今月17日に内閣府令の一部改正を実施。これにより、許可取得企業は、有効性や安全性などに影響を及ぼすおそれのある「新たな知見」を入手した場合、30日以内に同庁への報告が義務づけられている。
長官は29日の会見で、新潮の記事ついて、「内容についてのコメントは、詳細にまで立ち入るつもりはない」などとしたうえで、「記事だけをもって消費者庁が日ごろから関心を寄せている『新たな知見』とまで言えるものではないと本日現在は考えている」と述べた。
また、事業者が収集・報告する必要のある新たな知見の定義については「次長通知および質疑応答集で明確化している」とし、同庁としても食品安全委員会などと連携しながら新たな知見の収集を行う方針を示した。
新潮の記事は、トクホの表示を許可する消費者庁や、審査を行う消費者委員会などにも批判の矛先を向けたもの。ただ、長官は29日の会見で「単なる記事についての論評はこれまでも発表していない。今回についても今の段階では何も考えていない」などと述べ、静観する考えを示した。