ヤフオクに多数 効能効果標ぼう食品 慶大薬学部・大谷教授らが調査(2017.4.3)


 インターネットオークションサイト「ヤフオク」に、抗ガン効果など医薬品的な効能効果をアピールする商品が多数出品されていることが、慶應義塾大学薬学部の大谷壽一教授らの調べで分かった。大半が口に入れて摂取する商品。医薬品医療機器等法や景品表示法など関連法規に明るくない消費者に近い人たちが出品しているとみられる。

 出品者、サイト管理者ともに違法性の認識が低く、その結果として違法性の高い商品が恒常的に出品されていると考えられるオークションサイトの現状に対し、大谷教授は「商品自体による健康被害はなかったとしても、正しい医療を受ける機会を失い、間接的な健康被害を受ける可能性が高くなる」と問題提起する。

 調査は昨年6月~7月の2週間、2回に分けて実施。「医薬品の範囲基準ガイドブック」(㈱じほう)に掲載されている医薬品的な効能効果に関する表現事例集を参考に、頭髪に対する効果▽皮膚に対する効果▽アンチエイジング効果▽消化管に対する効果▽制ガン効果──に関するキーワードを設定し、ヤフオクに出品されている商品を検索。その結果1回目の調査では、明らかに違法と判断できる商品を574件、必ずしも違法とは言えない「グレー商品」を48件、それぞれ検出。2回目の調査でも違法商品594件、グレー商品40件が検出された。

 大谷教授らは検出された違法商品の実例として、「肝臓がん防ぐ」などとして特定成分の配合をアピールする、出品者いわく「サプリメント」などを挙げている。

 「この状況は看過できない」と大谷教授。「業界団体などを通じてオークション管理者や規制当局へさらなる監視強化を申し入れる必要がある」

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