CoQ10、経口摂取で加齢臭を抑制 資生堂が論文発表(2017.4.6)


 コエンザイムQ10(CoQ10)を継続的に経口摂取すると、体内から放出される加齢臭が抑制される可能性のあることが、同成分を配合したサプリメントなどを販売している資生堂が行ったヒト試験で分かった。CoQ10を4週間摂取したところ、肌の内側から放出される加齢臭の原因物質「ノネナール」の濃度が2~3割減少。サプリに利用されているCoQ10には、酸化型と還元型の2種類があるが、どちらにも加齢臭抑制に顕著な効果が認められた。

 同社が5日発表した。研究成果をまとめた論文もこのほど「日本補完代替医療学会誌」に掲載された。論文名は「コエンザイムQ10摂取が高齢女性の皮膚ガス中の加齢臭成分ノネナールに与える影響」。

 試験では、65~74歳の健常女性20名を被験者としてプラセボ対照交差二重遮蔽比較試験を実施。還元型CoQ10を1日100mg摂取する群とプラセボ群に分け、皮膚ガス中のノネナール濃度をガスクロマトグラフ質量分析器で測定したところ、摂取群はプラセボ群と比べて濃度が有意に減少。

 また次の試験では、65~74歳の健常女性24名の被験者を6名ずつ4群に分け、還元型CoQ10、酸化型CoQ10、ビタミンE、プラセボを4週間摂取してもらい、その前後で同じようにノネナール濃度を測定した結果、還元型CoQ10、酸化型CoQ10の順で濃度が減少し、ビタミンE群は変化が認められなかったという。

 ノネナールは、同社が1999年に加齢臭の原因物質として発見したもの。これまでの研究で、加齢に伴い増える皮脂成分(パルミトオレイン酸)が酸化することで加齢臭成分(ノネナール)への変化を確認していた。

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