東洋新薬 地方と連携 積極的に(2013.12.26)


 東洋新薬㈱(福岡市博多区)が地方自治体との連携を強めている。機能性素材の研究開発、それを活用した最終製品開発及び販売促進などに伴う地域産業の振興を目指すもので、これまでに熊本県、佐賀県、北海道との間で協定を締結。これに続き今月10日には、国内最大の生産量を誇る柑橘類をはじめ水産物を活用した機能性素材やサプリメントの研究開発・販売促進を通じて雇用創出を進めるなどしたい愛媛県との間で連携協力・協定を結んだ。

 県では今後、東洋新薬をはじめ、機能性食品の研究開発などを目的に愛媛大学が新たに開設した「食品科学研究センター」(同大農学部付属)や県内企業とも連携しながら、農水産物の加工残さから得た機能性成分・素材を開発、有効活用できるビジネスモデルの構築を進めたい考え。柑橘搾汁残さから得られる食物繊維を活用した特定保健用食品の開発も視野に入れている。

 商品化の第1弾素材として検討しているのは花粉症予防・改善作用が期待されている「じゃばら」。和歌山県原産の柑橘類だが、近年では愛媛県内でも生産量が増加している。また、県は魚介養殖の盛んな地域でもあり、魚介エキスなど水産物由来機能性素材の製品化も検討していく。

 今回の協定締結のきっかけは、県側が同社に連携協力を呼び掛けたこと。これまでの研究成果を具体的な製品化や産業活性化に結びつけるには、「技術力やノウハウに加え川下企業とのネットワークを持った民間企業との連携を含めていく必要がある」と県では判断。その中で、健康食品と化粧品両方のODMを展開しつつ、トクホ許可取得件数が最も多いなどの実績がある同社に白羽の矢を立てた。

 同社がこれまでに協定を締結した自治体の中には、いち早く製品化に結びつくなど、具体的な実績をあげている先もある。昨年1月に協定締結していた佐賀県では、県固有柑橘類「ゲンコウ」を活用したヘアケア製品が㈱アートネイチャーから先ごろ新発売。東洋新薬がゲンコウ果皮抽出エキスに育毛作用のあることを明らかにしていた。

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