国立栄研、大阪府に全面移転へ 2019年度中めど 摂津市の「健都」に
(2017.4.10)


 国立健康・栄養研究所(国立栄研)が大阪府に全面移転することが決まった。現在の東京都新宿区小山から、同府摂津市にある「北大阪健康医療都市」(愛称『健都』) の「健都イノベーションパーク」内に建設される民間賃貸施設に、2019年度中にも移転する。同研究所を所管する厚生労働省のほか大阪府が7日、発表した。


 同研究所は1920年に設立。職員数は11年10月現在で40名。健康食品・サプリメントの有効性や安全性などに関する情報発信のほか、特定保健用食品の許可試験など、保健機能食品や健康食品の表示に関して消費者庁と連携した業務も行っている。大阪移転の影響が注目されそうだ。


 この移転は、政府が昨年3月22日の「まち・ひと・しごと創生本部」で決定した「政府関係機関移転基本方針」に基づくもの。15年4月に同研究所と統合していた「医薬基盤研究所」が所在する大阪府が、統合効果を高める目的で大阪への移転を要望していた。


 厚労省によると、全面移転までのスケジュールは、まず今年度中に「国立健康・栄養研究所地域連携推進室」を大阪府に設置。推進室では移転までの間、大阪府や周辺地域の行政・企業・大学との事業連携、研究連携について検討や調整を進める。移転は19年度中を目標に開始し、同年度中に全部移転を完了させる予定。


 ただ、全面移転には条件があり、「移転に伴い増加が見込まれる研究所の運営上の負担に対する協力の在り方」について、厚労省、同研究所、大阪府等の地元自治体の間で合意が必要。これについて協議・調整するほか、継続的に連携方策を検討する目的で、今後、三者間で「会議体」を設置するという。



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