スポーツ分野に各社期待 「スポルテック」サプリ事業者の出展増加(2013.12.26)
5回目となる国内最大規模のスポーツ・フィットネス関連の展示会「スポルテック」が今月5日から7日の3日間、東京ビッグサイトで開催され、健康食品事業者も多く出展した。昨年来の傾向だといい、スポーツメーカー、運動施設関係者、アスリートなど、従来出展している展示会とはまた異なる来場者との間で新たなビジネスが始まることに期待を寄せる声が聞かれた。主催者発表によると、来場者数は一般含め計約3万2000人。
健康食品関連事業者は併催の「スポーツフードエキスポ」に約40社が出展。このうち、運動パフォーマンスアップ効果が期待できる新しい発想のアミノ酸の組合せとして、BCAAならぬ「OCAA(オルニチン・アルギニン・シトルリン)」を提案していたのが協和発酵バイオ。「アミノ酸の啓蒙という目的もある。シトルリンとプレ・ワークアウトを普及させ、スポーツサプリメント市場を広げていきたい」と出展の狙いについて話す。
また、「SPORTSEPA」として、オメガ3脂肪酸のエイコサペンタエン酸(EPA)のスポーツ分野活用をPRしていたのは、昨年に引き続き出展した日本水産。同社ではEPA摂取に伴う運動持久力向上作用を確認、また、EPAを配合した目的別のスポーツサプリメント3商品を今月3日から事業強化している通信販売で発売。「(認知されていない)スポーツとEPAの関係から説明しないとならないのは大変」と言いつつ、積極提案に努めていた。
一方、共催団体の「『日本を健康にする!』研究会(矢澤一良会長)」はパビリオンを設置し、9社が出展。このうち、オリザ油化は、ダイエット作用などが期待できるアントシアニンを含む新品種茶「紫茶」の試飲を来場者に呼び掛けながらPR。また、パビリオン内で行われた企業プレゼンテーションでは、焼津水産化学工業がアンセリンの抗疲労効果を解説した。
このほか出展していたのは、クリルオイルをPRした三生医薬をはじめ最終製品「BCAA+卵白ペプチド」を展示したQOLラボラトリーズ、日本新薬機能食品カンパニー、エーエフシー、アダプトゲン製薬、大塚食品、江崎グリコ、ファイン、フルッタフルッタなど。「従来とは違う層にアプローチできるのが魅力。(スポーツサプリ分野は)はまれば大きい」(出展企業)。
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今回の「スポルテック」では、「国が進めるスポーツ・健康政策」をテーマにした関連省庁横断セミナーも開催され、このうち「スポーツ健康産業の振興」の題目で講演した経済産業省商務情報政策局ヘルスケア産業課の那須良課長補佐は、政府が掲げる健康寿命の延伸と健康予防・介護関連市場規模を2020年に10兆円に引き上げる目標を実現するには、「グレーゾーンの解消が課題」だと指摘した。
スポーツなど健康産業は、医療との境界領域に踏み込む場合が多く、そこで新事業を立ち上げようとしても規制を受けたり、そもそも立ち上げていいか分からなかったりする現状を踏まえ、「医療・介護との関係が深く、(健康産業)事業者ニーズの大きい分野については、関係省庁で連携してガイドラインを策定する」と述べた。