資生堂がヒト試験で確認 CoQ10に加齢臭抑制作用(2017.4.20)

CoQ10①

 コエンザイムQ10(CoQ10)を継続的に摂取すると加齢臭を抑制できる可能性のあることを、資生堂がヒト試験で確かめ、発表した。CoQ10には還元型と酸化型の2種類があるが、いずれも体内から放出される加齢臭の原因物質ノネナールを抑える効果のあることを初めて突き止めた。有効摂取量は1日当たり100㍉㌘と考えられる。

 5日に発表した。試験結果をまとめた論文もこのほど発刊された「日本補完代替医療学会誌」に掲載された。論文名は「コエンザイムQ10摂取が高齢女性の皮膚ガス中の加齢臭成分ノネナールに与える影響」。同社は以前からCoQ10を配合したサプリメントを販売しており、今後の動向が注目される。

 試験では、65~74歳の健常女性20名を被験者にしたプラセボ対照交差二重遮蔽比較試験を実施。還元型CoQ10を1日100㍉㌘摂取する群とプラセボ群に分け、皮膚ガス中のノネナール濃度をガスクロマトグラフ質量分析器で測定したところ、摂取群はプラセボ群と比べて濃度が有意に減少した。

 次の試験では、65~74歳の健常女性24名の被験者を6名ずつ4群に分け、還元型CoQ10、酸化型CoQ10、ビタミンE、プラセボを4週間摂取してもらい、その前後で同じようにノネナール濃度を測定した結果、還元型CoQ10、酸化型CoQ10の順で濃度が減少し、ビタミンE群は変化が認められなかったという。

 ノネナールは、同社が1999年に加齢臭の原因物質として発見したもの。同社はこれまでの研究で、加齢に伴い増える皮脂成分(パルミトレイン酸)が酸化することで加齢臭成分(ノネナール)に変化することを確認していた。

【写真=ノネナール濃度をGC/MSで分析】

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