微細藻類由来フコキサンチンを開発 オリザ油化が新展開 抗肥満作用で表示制度に対応も(2017.5.1)
微細藻類由来のフコキサンチン原料をオリザ油化㈱が新たに開発した。以前から供給している褐藻類(コンブ、ワカメ)由来フコキサンチン製品群に追加し、機能性表示食品制度に対応しながら市場開拓を進める方針。日本での販売は富士フイルム㈱と共同で行う。
オリザ油化が4月28日に発表した。新たに開発した微細藻類由来フコキサンチン原料「フコレックス(FocoRex)」は、フコキサンチン含量5%および1%のオイル品。微細藻類にフコキサンチンが高含有していることに着目して独自に開発したもので、基原原料としては、イスラエルのアルガテクノロジー社が閉鎖系培養設備で生産するバイオマス原料を活用する。これにより、褐藻類を原料にするよりも製品開発コストが下げられるほか、持続的な安定供給も可能になる。
フコキサンチンはカロテノイドの一種。機能性については、特に抗肥満作用が知られており、同作用は、内臓脂肪中で脂肪を熱に変化するUCP1を活性化させることによるものであることも、北海道大学の宮下教授らの研究で分かっている。
オリザ油化は、フコキサンチンの抗肥満作用を検証する臨床試験を実施済みで、試験結果をまとめた論文も、査読付き学術誌「Functional Foods in Health and Disease」に近く掲載される見通し。掲載受理の通知をすでに受けているといい、現在、この論文などをはじめとする科学的根拠を基に、フコキサンチンを機能性関与成分にした機能性表示食品の届出対応準備を進めている。これにより、最終販売会社などに対する届出サポートを行う。
届出表示については、「フコキサンチンには肥満気味の方の体重、BMIおよび内臓脂肪の増加を抑えることが報告されています」などといった内容を同社は想定。届出が受理されれば、フコキサンチンを機能性関与成分にした初の機能性表示食品が誕生することになる。