BCAA多いと大腸腺腫リスク減 味の素、国立がん研究センターが論文(2017.5.15)
味の素㈱はこのほど、国立がん研究センターと共同で、世界で初めて血中のBCAA(分枝鎖アミノ酸)濃度が高いと大腸腺腫のリスクが低下する可能性があるとの論文をまとめ、国際的な専門誌に掲載されたと発表した。
それによると、一般的に大きな大腸腺腫は前がん状態にあるといわれるが、BCAAは耐糖能やインスリン感受性(これらは大腸がんに関連すると見られている)を改善する食物要因といわれるが、疫学研究はこれまでなかったという。
味の素と国立がん研究センターでは、大腸内検査を受けた男女3212名のうち、大腸腺腫があった症例群782名となかった対照群738名について、血中のBCAA濃度との関連解析を行った。
その結果、BCAAのうちイソロイシンについては関連が見られなかったものの、ロイシンとバリンでは、最も高い濃度群で統計学的に有意なリスク低下が見られたという。
両者では血中BCAA濃度と大腸腺腫の研究はまだ十分な数がないとしており、今回の研究結果は今後の研究と合わせて解釈されるべきという。