キノコ生産大手、サプリ事業を本格化 ホクトが日米関連企業を買収(2017.5.15)
キノコ生産販売大手のホクト㈱は12日、米国のキノコ由来サプリメント原料・最終製品製造販売のマッシュルームウィズダム社と、同社日本法人㈱サン・メディカの株式を100%取得し、完全子会社化すると発表した。買収をテコにしてサプリメント事業の強化を大きく図る。
3社は株式譲渡契約を2月22日付で締結済みで、譲渡日は今月17日の予定。ホクトは買収金額を非公開としている。
マッシュルーム社は、マイタケやヤマブシタケ由来のサプリメント原料・最終商品の製造販売を米国で行っており、サン社は同社製品を日本で販売している。ホクトは買収によって、米国と日本の両市場でサプリメント事業を本格展開するための足掛かりとしたい考え。
ホクトは1980年代に「きのこ総合研究所」を立ち上げ、キノコの新品種や栽培技術の開発とともに、生理活性(機能性)研究も行っていた。ただ、サプリメントに関しては、これまで自社商品の通信販売を限定的に手掛けるのみだった。マッシュルーム社とサン社はペットサプリメント事業も展開しており、まずは2社の販売経路を駆使して自社商品の拡販を図る方針。マッシュルーム社が保有する特許などを生かした製品開発力の強化も視野に入れる。
株式譲渡が行われる今月17日以降のマッシュルーム社およびサン社の代表取締役には、ホクトの海外事業本部長兼米国子会社(HOKUTO KINOKO COMPANY)社長の重田克己氏が就く。ほかの取締役についてもホクトの役員らが就任し、マッシュルーム社、サン社ともに役員体制が刷新される。
ホクトが12日に発表した17年3月期決算は、売上高が前年同期比3.5%増の631億1900万円、経常利益が同7.5%増の43億7900万円の増収増益。