ネット監視で改善要請 336事業者 389商品 消費者庁(2017.5.11)
消費者庁が健康食品を中心など食品について継続的に実施しているインターネット上の虚偽・誇大広告監視。健康増進法に抵触するおそれがあるとし、同庁が昨年4月から今年3月までの1年間に行った表示改善要請件数は、336事業者・389商品に上ることが分かった。前年同期は400事業者・501商品と減少傾向を示しているものの、一部事業者については要請後も改善がみられないため、同庁は個別に調査を実施した。
同庁が4月28日に公表した。健増法の規制対象は、販売事業者のみならず広告媒体社など「何人も」であり、同庁は、表示改善を要請した事業者が出店するショッピングモール事業者に対しても表示改善に協力するよう要請した。改善要請を受けて大半の事業者が改善した一方で、現在までのところ3事業者・3商品について改善が見らないため、個別調査を実施。調査結果次第で法的措置を講じる可能性がある。
同庁は、ロボット型全文検索システムを利用してネット監視を行っている。検索キーワードによって無作為に検索したうえで検索サイトを目視により確認し、健康増法違反のおそれのある文言を行っていないかどうかを調べる。ネット上の虚偽・誇大表示監視のための予算として、2017年度は、前年度比約2倍に相当する2700万円を計上している。
昨年4月から今年3月の検索キーワードは、「がん」「動脈硬化」など疾病の治療効果があるのかのような表現、「疲労回復」「記憶力」「免疫力」など身体組織機能の増強・増進効果を主たる目的とする効果があるかのような表現、「ダイエッ」「発毛」「美白」など魅力を増し、容貌を変え、皮膚や毛髪を健やかに保つことに資する効果があるかのような表現──だった。