揺れるカカオ成分と脳研究 「発表自体は問題はない」内閣府(2017.5.25)


 内閣府の「革新的研究開発推進プログラム」(ImPACT)で脳研究を担当する山川義徳氏と㈱明治が今年1月に発表したチョコレートのカカオ成分と大脳皮質量に関する研究手法が不十分だったとされる問題について、内閣府は有識者会議での評価を待って、今後の研究継続の有無を判断する考えを明らかにした。

 この問題は、1月18日に都内で発表したチョコレートのカカオ成分が大脳皮質の量を増加させ、認知症予防などに繋がるとした研究成果に関して、プラセボ群との比較がないなど研究手法や科学的妥当性に欠けるとの指摘が、食品ジャーナリストなどから挙がっていたもの。

 内閣府では18日に有識者会議を開き、実験方法などを検証することを決めている。内閣府では「学術論文として認められなければ公表できないということはなく、発表自体に問題はない」(担当部署)としており、山川氏による今後の研究内容の説明と有識者会議の評価を待って、研究継続の有無を検討する考えだ。

 同担当部署では、「ImPACTはチャレンジ的な性格の研究プロジェクトのため公表のタイミングが難しい。今後は学術的にどの段階で公表するか検討したい」としている。

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