ホクト サプリ事業本格化へ 米企業と日本法人を買収(2017.5.25)


 キノコ生産販売大手のホクト㈱は17日、米国のキノコ由来サプリメント原料・最終製品販売のマッシュルームウィズダム社と同社日本法人であるサン・メディカの株式を100%取得し、完全子会社化した。買収をテコにサプリメント事業の強化を図る。
 2月22日付で株式譲渡契約を締結していた。買収金額は明らかにしていない。

 ホクトは1980年代からキノコの新品種や栽培技術の開発とともに生理活性研究を進めていた。ただ、サプリメント事業はこれまで自社商品の通信販売を限定的に手掛けるのみだった。05年に100%子会社ホクトメディカルを設立し、キノコ由来健康食品の通信販売を開始したものの、13年に吸収合併方式で解散させている。

 マッシュルーム社はマイタケやヤマブシタケ由来のサプリメント原料や最終商品の製造販売を米国で手掛けている。サン社は同社の原料や最終製品を日本で販売。ホクトは買収によって、米国と日本の両市場でサプリメント事業を本格展開するための足掛かりとしたい考えだ。

 マッシュルーム社とサン社はペットサプリメント事業も展開しており、まずは2社の販売経路を駆使して自社商品の拡販を図る。マッシュルーム社が保有する特許などを生かした製品開発力の強化も視野に入れる。将来的にはホクトが開発したキノコ由来サプリメント原料の販売に乗り出す可能性もありそうだ。

 17日付でマッシュルーム社およびサン社の白田正樹代表取締役社長は退任し、新たにホクトの海外事業本部長兼米国子会社(HOKUTO KINOKO COMPANY)社長の重田克己氏が就任。他の取締役にもホクト役員らが新たに就任し、マッシュルーム社、サン社ともに役員体制が刷新された。

 サン社の中村智子氏は17日、「今後、当社はホクト株式会社グループの一員として、主にキノコの機能性の活用と普及という役割を担ってまいります」とコメントを出した。

 ホクトが12日発表した17年3月期決算によると、売上高は前年同期比3.5%増の631億1900万円、経常利益は同7.5%増の43億7900万円の増収増益。このうちキノコ加工品の販売やレトルト食品、健康食品の通販を行う加工品事業の売上高は15.5%増の70億6400万円となっている。

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