景表法執行力強化に動く 消費者庁(2013.12.12)
相次ぐ食材の偽装表示を受けて、景品表示法の執行力や監視体制の強化に向けた動きが活発化している。政府の食品表示問題に関する関係省庁会議は9日、同法のガイドラインの年内策定や業界に対するルール遵守等の徹底のほか、来年の通常国会に同法の一部改正案を提出し、都道府県への措置命令権の付与や「食品表示モニター(仮称)」の導入などを進める適正化対策案をまとめた。
景表法の措置命令は、同法で禁じる優良誤認や有利誤認といった不当表示を行った事業者などに対して表示の差止や再発防止を命じるもので、現行では同庁のみが行うことができる。措置命令に従わなかった場合は、法人には3億円以下の罰金、事業者代表などの個人には2年以下の懲役または300万円以下の罰則が科せられる。都道府県は違反行為の取りやめなどの指示はできる。
同庁は、景表法の執行力や監視体制の強化をこれまでも進めており、7月には健康食品や食品の監視体制を一元的に行う「食品表示対策室」を表示対策課に設置した。だが、措置命令権の都道府県への付与については、8月の消費者委員会で健康食品の表示問題についての対応状況について説明した際、付与に前向きな意見と業務が滞るなどとして反対する意見があり、このため、今後、都道府県全体で一致した要望が出される場合には改めて検討を進めていくと回答し、時期尚早との判断を示していた。
ただ、その後相次ぐ食材の表示偽装などが発覚。規制強化を求める自民党などの提言もあり、同庁としても対応を急ぐ必要に迫られた。