機能性表示食「魅力あるが、不満」 流通小売とメーカー 意識にギャップ(2017.6.1)


 「機能性表示食品は、カテゴリーとして魅力は感じてはいるが、食品メーカーからの提案や情報提供には不満」――。流通小売企業を対象とした機能性表示食品への要望に関する調査結果をBASFジャパン㈱がまとめた。食品メーカーを中心に参入を果たし届出1000品目を目前とする機能性表示食品だが、これまでの流通への提案には満足していない現状が分かった。

 調査は、今年3月に新日本スーパーマーケット協会の正会員である流通小売企業65社に、郵送でのアンケート方式でまとめた。

 質問では、機能性表示食品の売れ行きと食品メーカーからの商品の提案の質に対する満足度を聞いたところ、約5割の32社が「現状、特別に売れている様子はないが、販売品目として大変魅力を感じている」と回答する一方で、商品の機能性や販促に関する情報提供の質には「それなりに満足している」(5社)のみで(大変満足しているは回答ゼロ)、「あまり満足していない」(23社)、「ぜんぜん満足していない」(4社)、「どちらでもない」(32社)で、およそ不満を持つ声が9割を超える結果となった。

 機能性表示食品の販売促進に欠かせないポイントとしては、約8割の企業が「店頭POPなどの広告宣伝物の充実」を挙げ、「従業員の知識レベルの向上」「数値的、科学的根拠による訴求」が続いた。

 小売企業が取扱う商品のヘルスクレームへの質問では、「体脂肪、中性脂肪」「血糖値」「コレステロール」などトクホでも使われる抗メタボの商品が半数以上を占め、機能性表示食品で新たに表示可能となった「ストレス、疲労関連」「肌」「目」に関する商品の取扱いは十数社に止まった。

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