東京都 アレルギー対策策定へ 第1回委員会を開催(2017.6.8)
東京都は、2021年度までのアレルギー疾患対策推進計画の策定に向けて動き始めた。都福祉保健局を中心とした委員会は5月31日、同計画策定を目的に第1回会議を都庁で開催した。
2015年12月に、国により「アレルギー疾患対策基本法」が施行され、今年3月には「アレルギー疾患対策の推進に関する基本方針」が制定されたことを受け、都では同法13条に基づき独自のアレルギー疾患対策推進計画を策定する。
会合では、福祉保健局から推進計画の骨子案が提示され、委員の医師や民間団体代表者が議論した。その骨子案では、対象とするアレルギー疾患を気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、アレルギー性結膜炎、花粉症、食物アレルギーなど政令で定めるものとした。
施策の柱としては、食品表示法で表示義務のあるアレルゲンの表示適正化を図るほか、食品製造時に意図しないアレルゲン混入防止に取組むこと、飲食店で原材料の説明や情報提供できる取組みに支援することなどが、案に盛り込まれた。
また、議論では受動喫煙防止による気管支ぜん息の発症及び予防について、施策に盛り込むか外すかで活発な意見が飛び交い、最後に医師委員から「喫煙していた成人の気管支ぜん息は処置が難しい。タバコは施策にいれてほしい」と要望があった。
このほか、地域に密着した相談体制づくり支援の施策では、健康サポート薬局の位置付けを明らかにするよう求める意見もあった。
都では、98年度から独自にアレルギー疾患対策検討委員会を立ち上げ、各種施策を遂行していた。今年4月には疾患に関する情報提供を充実させる目的で、ポータルサイト「東京都アレルギー情報navi.」を開設している。