ヒドロキシサンショオール 塩味増す機能性 減塩食を美味に(2017.6.8)

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【写真=ヒドロキシサンショオール】

 山椒の塩味増強作用を確認するとともに、同作用を生かしたサプリメントや素材を開発し、高血圧患者向けの新たな減塩法として提案しようとする取組みが進行している。

 山椒原料メーカーの山本勝之助商店(和歌山県海南市)ではこのほど、和歌山大学らとの産学官連携事業で、高血圧患者が減塩食の食前に山椒タブレットを舐めることで、塩味を強く感じることを確認、食事の満足度が上がる可能性を確かめた。並行して同社は自社製品開発を進めるほか、原料・OEM供給することも計画。原料では塩味増強作用の主成分であるヒドロキシサンショオール含有量を規格化する考え。

 今回の研究結果は、5月に開催された日本高血圧学会、日本家政学会、今月イタリアのミラノで開かれる欧州高血圧学会でも発表し、国内外で素材と機能の認知拡大を図る。発表で山椒に注目した企業との事業提携も視野に入れている。

 日本高血圧学会は日本人の約4300万人が高血圧と試算。同社では「高血圧患者の減塩食に対する味の評価は低い。そのため食品メーカーは多いものの市場は伸び悩んでいる。だから新規参入企業の事業でも伸びしろはある」と話す。

 同社は新たな活用法で山椒事業の拡大を目指す。健康効果による山椒のイメージ刷新、雇用創出にもつなげる。

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