政府 規制改革実施計画を閣議決定 (2017.6.22)
内閣府の規制改革推進会議が先月まとめた第一次答申を受け、政府は9日、臨時閣議で「規制改革実施計画」を閣議決定した。8項目にわたる機能性表示食品制度の改善要求もそのまま反映。同制度を所管する消費者庁を中心に今後、同計画に基づき、制度運用改善に向けた具体策を検討し、結論・実施に向けて取り組むことになる。
今回の規制改革実施計画に盛り込まれた機能性表示食品制度の改善に関わる改革事項は以下の通り。
①運用改善目標の設定及び目標を実現する工程表の策定・公表②届出書類の簡素化③業界団体等との連携強化を通じた機能性表示食品届出手続の運用改善④「機能性表示食品の届出等に関するガイドライン」の見直し及びQ&Aの策定・周知⑤生鮮食品の機能性表示食品制度の活用促進⑥18歳及び19歳の者を含むデータを届出資料として利用するための条件の周知⑦アウトカム評価項目を疾病とする観察研究をデータとして用いる場合に認められる機能性表示の表現の明確化⑧機能性表示食品制度における軽症者データの取扱範囲の拡大──。
同計画では、各事項の実施時期に関しても第一次答申の通りとした。機能性の科学的根拠としての軽症者データ活用に道を拓く⑧は今年度に検討、来年度に結論・措置(実施)。現状ではあいまいな届出受理の「基準」を明確にする方向性が示されているQ&Aの策定を含む④は今年末までの措置を命じている。
また、生鮮食品に関する⑤については、同庁とともに農林水産省に対して検討、実施を命じた。両省庁が連携して対応に動くことになる。
規制改革推進会議の森下竜一委員は、第一次答申に盛り込んだ制度改善要求の狙いなどについて訊ねた本紙インタビュー(前号掲載)で、「実際に動き出すまで実感は湧かないだろうが、機能性表示食品制度の運用を大きく変えるよう求める内容となっている」などと述べていた。
また、今回の答申に盛り込まなかったものの、特定保健用食品や栄養機能食品のほか食薬区分の規制改革についても、「個人的な考え」だと断った上で、次期規制改革推進会議で議論していく必要性を指摘している。