国センADR 許可取消し特保巡り紛争 販社側「有効性あった」と主張(2017.6.22)


 国民生活センターは15日、ADR(裁判外紛争解決手続)の実施状況と結果概要を公表した。公表した事案では、血糖値を下げる特定保健用食品(現在は許可取り消し)の解約に関する紛争の要旨を取り上げ、ADRによる和解は困難と判断して手続きを終了したとしている。国センでは具体的な社名は明示していないが、昨秋にトクホ許可を取り消された日本サプリメントを指すものとみられる。

 同事案では、申請人の主張として、新聞広告で「血糖値が気になる方必見」などの記載があるトクホに興味を持ち試用品を試した後に定期購入したが、その後、トクホ許可取り消しの報道に接し、血糖値を下げる成分は入っていないなら定期購入しなかったといい、相手方に返金を求めたところ、未使用分は返金に応じてもらえたが、既に摂取した分の返金には応じてもらえず、これまでに支払った代金・約2万円の返金を要求している。同じ商品で同様の事案として、購入代金約3万円の返金要求の申請人の主張も取り上げている。

 相手方(販売企業)の主張では、和解の仲介の手続きに協力する意思はあるものの、許可取り消しのトクホは関与成分の同定の誤りが後発的に明らかになったもので、原料レベルにおいて消化酵素阻害活性の必要値は満たされているなどとし、「特定保健用食品の表示許可において想定されていた有効性」は存在しているといい、返金要求には応じない姿勢。

 また、「異論があれば必要に応じて、裁判所において司法判断を受けるべき事案と考え、本件和解仲介手続きを終了することを求める」と述べている。

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