16年度の景表法運用 調査件数540件超 (2017.7.6)


 消費者庁が6月30日に公表した2016年度の景品表示法運用状況によると、調査件数は前年度と比べ約20件減少したものの、543件に上った。うち188件は前年度からの繰り越し分で、新規の調査件数は355件。外部からの情報提供件数としては約7900件(15年度約9660件、14年度約6330件)あり、うち約930件が食品表示に関する内容だった。ただ、景表法違反事案と判断したものは全体で310件にとどまる。

 16年度に調査したもののうち、事件として処理した事案は315件に上った。内訳は、「措置命令」が27件、「課徴金納付命令」が1件、違反のおそれがあると認められた場合に社名などを公表しないで行う「指導」が138件、都道府県による処理が適切と判断し移送したものが80件──など。64件では調査を打ち切った。

 事件処理事案のうち、効果的な法執行を行う目的で、同庁表示対策課食品表示対策室が健康増進法との一体的運用を図っている健康食品の不当表示に関しては、措置命令が特定保健用食品(トクホ)の許可要件に関する不当表示で2件、豊胸効果に関して1件、痩身効果に関して1件、目の症状改善に関して1件──など計7件に上った。また、健増法違反(誇大表示の禁止)のおそれがある事案についても46件に指導を行った。

 公表資料では、指導を行った健康食品に関する不当表示の概要についても社名などを伏せた上で一部明かしており、それによると、優良誤認に関しては、トクホの表示許可を国から受けていないにもかかわらず、「トクホの許可マークと共に、トクホの認定を受けた〇〇を使用などと記載」することで、トクホであるかのような表示を行っていた事案を提示。それにもかかわらず措置命令に至らなかった理由は明らかにしていない。

 また、有利誤認での指導事案としては、定期購入をめぐる消費者トラブルにつながる場合が多い、いわゆる「お試し価格」表示があった。初回限定で通常よりも安価で購入できる条件に関する表示について、強調表示から離れた箇所に他の文字と比べて小さく記載しており、「相当程度の注意を払わなければ気づくことがない表示を行っていた」として指導した。



Clip to Evernote

ページトップ