プエラリア問題で厚労省も対応 食薬区分再検討の可能性(2017.7.20)


 月経不順などの危害情報件数が増加しているなどとして国民生活センターがプエラリア・ミリフィカを含む健康食品の安易な摂取を控えるよう注意喚起した問題で、厚生労働省も対応に乗り出した。

 消費者向けのQ&Aを発出し、プエラリアは「植物性エストロゲン(女性ホルモン様作用)を持つため、健康影響が起こる可能性が考えられます」などと注意喚起している。

 また、地方自治体の食品衛生担当課に対して通知を出し、原材料を含むプエラリア含有健康食品の販売事業者に対する監視指導を実施し、健康被害事例の有無の確認などの調査を行うよう要請した。配合しているプエラリアについて、原材料の形態、活性成分の含有量、活性の管理方法なども含めて調査するよう求めている。

 Q&A、通知ともに発出したのは、国民生活センターが注意喚起を行ったのと同じ13日。また、厚労省は取材に、プエラリアの食薬区分リスト上の取り扱いについて、「今後、区分変更を含めて有識者に意見を求めていく計画」(新開発食品保健対策室)とコメントしており、予断を許さない状況だ。現在は「専ら非医薬品」に収載。

 一方、厚労省は、プエラリア含有健康食品に関する健康被害情報の状況について、現在(14日)のところ「保健所に盛んに(報告が)上がっているような状況ではない」(同)と話しており、15年度以降に危害情報が急増しているのはPIO‐NETに限られた傾向である可能性がある。

 ただ、国立健康・栄養研究所が、厚労省の委託調査事業としてプエラリア含有健康食品の利用者900人を対象にした基礎的なインターネットアンケート調査を16年度に実施したところ、有効回答者750名のうち11%が体調不良があったと申告。複数回答で聞いた体調不良の内容として最も多かったのは「月経不順・不正出血」だったという結果も出ている。

 厚労省は、この調査結果などを通じ、プエラリア含有健康食品の商品流通状況をおおよそ把握できているという。国民生活センターも、PIO‐NETを通じ、消費者から危害情報が寄せられている商品名も把握しているもようだ。危害情報が寄せられているのは特定の商品なのか、それとも複数におよぶのかを聞いたところ、「答えられない」(商品テスト部)とした。


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