消費者委員会部会 原料原産地、議論終局へ 次回会合で答申案(2017.7.20)
消費者委員会の食品表示部会(部会長・阿久澤良造・日本獣医生命科学大学学長)が12日に開かれ、加工食品の原料原産地表示制度改正案の「例外表示」などの審議を行った。同日の会合で改正案の実質的な審議は終了。28日の次回会合で答申案をまとめる予定だ。
当日は焦点の「例外表示」が議論され、複数の委員から改めて疑問や見直すべきとの意見が出された。日本消費生活アドバイザー協会の蒲生恵美委員は、「消費者庁は過去に『輸入又は国産』の表示を優良誤認と判断している。それを法律で認める形にするのはおかしい」などと指摘。出席した消費者庁の赤﨑鴨彦・食品表示企画課長らが苦しい説明に追われる場面もあった。
最後は阿久澤部会長が「議論は私に引き取らせていただきたい」と述べ、議論を収束して、次回会合で答申案を提示する考えを示した。阿久澤部会長は同時に「(消費者の誤認を避けるため)Q&A集などにしっかり書き込んでもらうことを強く求める」と出席した消費者庁と農林水産省に苦言ともいえる注文をつけ、各委員が今回の改正案に必ずしも十分に納得していないことを暗にうかがわせた。
食品表示部会の一連の審議では、経過措置期間の延長など一部変更がなされたものの、ほぼ原案通りの形で「おおむね了承」(阿久澤部会長)されたことで、今夏にも食品表示基準の改正が施行される見通しとなった。
次回会合は28日の予定で、答申案がまとまる見通し。