口腔ケアにクランベリー ネキシラがエキスを上市(2013.12.12)
ネキシラ㈱(東京都港区)はこのほど、クランベリーエキス「Exocyan(エグゾシアン)」を上市した。海外の研究では、クランベリー(ジュース)には抗菌作用が報告されており、同エキスも口腔の細菌に対する抑制作用が確認されている。また、同エキスはクランベリー果実やジュースに比べて糖度と酸度が非常に低く、歯のエナメル質脱灰リスクが少ないという。これら知見や素材の性質から、同社では主にオーラルケア素材として打ち出し、提案していく。
クランベリーの果実は、フラボノイドの一種であるプロアントシアニジンを豊富に含むだけでなく、他のベリー系果物とは異なり、タイプAのプロアントシアニジンを含有する。このタイプAが、クランベリーの抗菌作用の活性成分とも言われており、同社では「ブルーベリーやエルダーベリーなどの果実とは(抗菌性で)一線を画している」と話す。
エグゾシアンは、このクランベリー果実から抽出し、総プロアントシアニジン(PACs)量で規格したエキス。同社が実施した試験では、歯周病や口臭に関わる細菌の抑制作用が確認されている。
試験では、歯周病に関与するミュータンス菌や口臭に関与するフゾバクテリウム・ヌクレアータムなどの細菌を加えた試験液1㍉㍑に、PACs含有量1%または10%のエグゾシアン10㍉㌘を添加し、細菌数(単位:log10UFC/㍉㍑)を測定。その結果、ミュータンス菌数はコントロール群が8.63だったのに対し、PACs含有量1%は7.78に減少し、同10%では5.70まで減少した。フゾバクテリウム・ヌクレアータムについては、エグゾシアン添加により、細菌が全く存在しなくなったことが見出されている。
さらに、ヒトを対象にした試験でも口腔への有用性が認められている。10名にエグゾシアン(PACs濃度10%)を1粒あたり90㍉㌘配合したガムを、4週間継続して1日4粒使用してもらったところ、使用前に比べて歯垢が平均約28%減少したことが確認されている。
同社ではこれらデータで訴求し、エキスが水溶性であることから、ガムなどの食品をはじめ、顆粒やタブレットのサプリメント、マウスウォッシュなどの用途で提案する。また、海外で採用が進むペットの口腔ケア用としても売り込むという。
国内の販売はPACs含有量2%、10%、20%の水溶性を主に取り揃え、フランス本社では最大50%までの規格品を製造販売している。
水溶性のほかにも海外で需要のある不溶性もラインナップ。原料は1㌔㌘から出荷する。